きれいに歯磨きをしたつもりでも、歯ブラシによるブラッシングだけでは歯と歯茎の境目や歯間の汚れをしっかり落とすのには不十分です。そのため、しっかり口腔ケアする「デンタルケア家電」が注目されています。
今回は、「デンタルケア家電」の活用方法と注意点をご紹介します。

デンタルケア家電にはどんな種類がある?

電動歯ブラシ

近年、さまざまなメーカーが「デンタルケア家電」を発売しており、これらの多くは「電動歯ブラシ」とウォーターピックなどの「口腔洗浄機(口腔洗浄器)」の2種類に分けられます。

強力な水流と水圧で、歯や歯茎の汚れを洗い流す「家庭用口腔洗浄機」は、「ジェットウォッシャー」「エアジェットフロス」「ウォーターピック」などの商品名の方がみなさんにとっては馴染み深いかもしれません。

ウォーターピックのデメリットとは?|口腔洗浄機の注意点

ウォーターピックは、歯間ブラシやデンタルフロスの使用感が苦手な方にも、比較的抵抗なく使えると評判です。そのため利用者も増加していますが、利用するにはいくつか注意点があります。
ウォーターピックで口腔洗浄

痛みが出るケースがある

水圧が強いほど汚れはキレイに落せますが、水圧が高すぎると水が歯茎に強くあたり、痛みが生じることがあります。お子様も一緒に使うのであれば、水圧は低めにしておいたほうがよいでしょう。

水が飛び散り掃除が大変

慣れないうちは、水があらぬ方向に飛び知ってしまい服や床に水滴が飛び散ることも多いようです。しかしこれらの問題は、慣れることで解決されます。適度な水圧にし、利用方法を守っているうちに、水の飛び散りは少なくなるでしょう。

メンテナンスの手間がかかる

製品によりますが、使用後はタンク内の水滴を拭き取って乾かすなど、清潔さを保つためのメンテナンスを必要とするものがあります。製品を選ぶときには、メンテナンスについてもよく確認しましょう。

かさばる(保管場所が必要)

口腔洗浄機は、歯ブラシなどに比べてサイズが大きいため、収納場所を確保する必要があります。置き場所に悩む場合は、携帯用の製品など小型のものがおススメです。利用環境にあった製品を選びましょう。

ウォーターピックは矯正治療時のケアに最適|口腔洗浄機のメリットは?

口腔洗浄機は、手動のブラッシングだけでは汚れが落としにくい「ブリッジ」や「ワイヤー」といった矯正器具の汚れに対し、簡単にアプローチができます。そのため、矯正中のプラークコントロールに、口腔洗浄機はとても適した製品だといえるでしょう。

ウォーターピックVS糸式ようじ(糸のデンタルフロス)どっちが良い?

「糸式ようじ」で歯垢を除去するには、慣れが必要だといわれています。上手く使いこなせないと歯垢もなかなか取れませんし、歯や歯茎を痛める可能性もあります。また、歯科矯正を行っていて矯正器具などを装着している場合、糸式ようじは使えません。

一方、ウォーターピックは初心者でもこのような心配が少なく、効率的に歯垢を落せます。そのため、これからデンタルケアを行おうとしている方や歯科矯正中の方におススメです。

また、ウォーターピックは、高価で置き場所も必要となります。利用する場所や目的に応じて選びましょう。

置き場所や目的に応じてウォーターピックを利用

歯ブラシで取り切れない歯垢の除去には電動歯ブラシがオススメ

電動歯ブラシは、手動によるブラッシングでは落としきれない部分にも細やかなアプローチが可能で、歯の凸凹や歯間に詰まった歯垢や微細な汚れを落とすとともに、マッサージ効果も得られます。

しかし、使い方によっては歯や歯茎に余計な刺激を与えて傷めてしまう恐れがあるので、激しい使い方は控えましょう。

電動歯ブラシ×研磨剤入りの歯磨き粉は危険

電動歯ブラシで磨くときのコツは、ブラシを歯の表面に軽くあてることです。力が強いと歯や歯茎に負担がかかります。とくに研磨剤入りの歯磨き粉を使用した場合、歯の表層にあるエナメル質を傷つけることもあるため、電動歯ブラシとの併用には注意が必要です。

電動歯ブラシの使用時に痛みを感じたり、歯や歯茎へのあて方や強さがわからず、不安なときには、かかりつけ医に相談しましょう。

ウォーターピック・電動歯ブラシではできないこと

家庭でのオーラルケアが格段に便利になったデンタルケア家電ですが、過信は禁物です。

歯石の除去は歯科医院に

歯垢が固まった「歯石」は、電動歯ブラシやウォーターピックで除去できず、歯科医院で除去してもらう必要があります。
また、これらのデンタルケア家電を使っていても、歯の汚れを完璧に防げるわけではないため、2~3ヶ月に一度は歯科医院での受診をおススメします。

歯並びの矯正でデンタルケアが簡単に

デンタルケア家電を使っても、「歯が凸凹に生えている」「歯ブラシの届きにくい箇所がある」といった歯並びの問題があると、十分なブラッシングは難しいものです。
そのような悩みをもつ方は、「歯列矯正」を検討してみてはいかがでしょう。歯並びが整えば、プラークコントロールはもっと簡単になります。

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歯列矯正でプラークコントロールを容易にしよう