前回の記事では「顎の形・受け口は子供にも遺伝する?」というお話しをいたしました。

この“受け口”というものは、下顎が上顎より出ている状態で“しゃくれ”などとも呼ばれますが、そのデメリットは審美的なものだけではなく、健康面にも悪影響を及ぼします。

今回は受け口の要因や、受け口治療をすることで得られるメリットについて、詳しくご説明していきます。

受け口の後天的な原因は?

受け口の原因は、前回もお話したように先天的な遺伝の場合が多いものです。
しかし、幼児期の指しゃぶりや上唇を噛む、下顎を突き出す、鼻づまりによる口呼吸、といったクセや生活習慣などの後天的な要因から受け口が促進されることもあります。

日常生活に支障をきたすこともあるので、なるべく早い段階で、しっかりと治療することをお薦めいたします。

歯医者の看板

受け口を矯正するメリット

消化不良の改善する

“噛み合わせ”が悪いと、食べ物を細かく噛み砕くことができず、胃腸への負担が増えてしまい、消化不良をおこしやすくなります。
受け口を矯正して、しっかりと咀嚼できるようになると、消化不良の改善につながり、腹痛をおこしにくくなり、快適な日常生活を送れるようになります。

体の歪みの矯正する

噛み合わせが悪いと、片方の奥歯のみで噛むなどの偏った癖がつきやすく、顎が歪んでいきます。
顎の歪みはやがて、体の歪みへと波及していくものです。
偏った噛み癖がなくなれば、体の歪みも徐々に矯正されてゆくでしょう。

頭痛・肩こりを治す

口の筋肉や関節は、首・肩にも繋がっています。
噛み合わせが悪いと顎に余計な負担がかかり、肩こり・頭痛を引き起こしやすくなります。

原因不明の頭痛・肩こりに悩まされている人は、噛み合わせの悪さが原因かもしれません。

肩こり

顎関節症のリスクを軽減する

顎関節症は、

  • 顎が痛む
  • 口を大きく開けられない
  • 顎を動かすと音がする

といった症状の病気です。
顎の関節や筋肉に負担がかかると顎関節症を引き起こします。
自然治癒する軽微な場合もありますが、放っておくと重病を引き起こしかねません。

噛み合わせを改善すると顎の負担が減り、顎関節症になりにくくなります。

滑舌が良くなる

発音は、舌の位置で決まります。
受け口の場合、舌が前に出てしまっているので、サ行・タ行などが言いにくくなることがあります。
これが「舌足らず」の原因ですが、矯正治療をすると舌の位置が正常に戻り、うまく発音できるようになります。

虫歯や歯周病の予防する

噛み合わせが悪いと、

  • 自然に汚れが落ちない
  • 歯磨きがしにくい
  • 歯に均等に力かからない

といったデメリットがあります。
これらを改善すれば、虫歯・歯周病の予防になります。
また、治療がしやすくなるメリットもあります。

歯磨き中の女の子

外科的処置をともなう顎変形症を治療する場合

外科治療をともなう治療が必要かどうか、お悩みの方はまず当医院「アリビオ矯正歯科クリニック」へご相談ください。

当医院は「自立支援(育成/更生)医療指定機関・顎口腔機能診断施設指定機関」です。
顎変形症(※)に対して、機能面の回復と審美面の改善の観点から、まず患者様のご希望を十分に確認したうえで検査・分析をおこないます。
提携病院口腔外科と綿密な打ち合わせをし、十分なインフォームドコンセントの後、提携病院にて咬み合わせ改善の外科手術をおこなって参ります。

なお、外科的処置をともなう顎変形症の治療には、健康保険が適応されます。
※骨格的に顎の歪みが生じ、かみ合わせにも不具合が生じている状態。