奥歯を噛んだとき、上下の前歯の間には若干のすき間があくものですが、この間隔がとても大きい状態を「開咬」(かいこう)と呼びます。
英語では「オープンバイト(open bite)」と称しますが、日常生活に支障がないからといってそのまま放置しておくのは危険です。

歯並びの不具合を治さずに放っておくと、体の不調に繋がることがありますが、それは「開咬」も例外ではありません。
そこで今回は「開咬を放置することで起こる体の不調」についてお伝えします。

「開咬」のタイプにはおもに2種類ある

「開咬」とは、奥歯を噛んだときに上下の前歯の間に“大きなすき間”ができてしまう状態です。また、前歯はうまく噛み合っていても奥歯が噛み合わない、といった種類の開咬もあります。

うどんやラーメンなどの麺類をうまく噛み切れなかったり、息が歯のすき間から漏れてうまく発音できないなど、日常生活の中で「開咬」に悩まされている方もいらっしゃるでしょう。

今回のコラムでは、前者の「前歯の間に大きなすき間ができる」タイプの開咬について解説していきます。

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開咬が原因で引き起こされる体の不調

それでは開咬が原因で引き起こされる体の不調についてお伝えします。

開咬(かいこう)を放置すると健康を害する恐れがあります

口呼吸の傾向が強まって病気になりやすい

口が「開咬」の状態になっていると、外に広がった前歯が邪魔をして口をうまく閉じられず、口呼吸がクセになってしまうケースがあります。

鼻呼吸だと、空気中に含まれる細菌やウイルスなどの有害な物質を、鼻毛がフィルターとして絡め取ってくれますが、口にはフィルター機能がないので、これらの物質を体内に直接取り込んでしまいます。その結果、インフルエンザや風邪などの病気にかかりやすくなってしまうのです。

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虫歯になりやすい

前段落でお伝えしたように、口呼吸を繰り返すと、病気にかかりやすくなるだけでなく、虫歯になる可能性も高まります。口内が乾燥すると、虫歯を防いでくれる唾液の分泌量が減ってしまうからです。

飲んだり食べたりしたあと、口内は酸性に偏りますが、その状態が長く続くと歯からミネラル成分が溶け出して虫歯になりやすくなります。そこで「唾液」の登場です。唾液が分泌されると口の中は中性に保たれ、虫歯になりにくい口内環境へと整えてくれるのです。

また唾液には、歯から溶け出したミネラルを補充し、修復する役割もあります。開咬による口呼吸で口内が乾燥し、唾液の量が減ってしまうと、虫歯にかかりやすくなるのです。

顎関節症になりやすい

「開咬」になると上下の前歯が完全に閉じられないため、ものを噛むときに奥歯を頻繁に使うようになります。奥歯への負担が大きくなると、奥歯周辺の顎関節にもダメージを与え、顎関節症を併発することがあります。

 

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