お子様の横顔が平らに見えて、心配されている親御さんは多いものです。その原因は受け口にあるかもしれません。
ここでは横顔が平たく見える理由や、お子様が受け口になる原因について説明します。
子どもの横顔が平らに見える理由とは
美しい横顔の基準として「Eライン」というものがあります。
Eラインの条件は「横をむいて、鼻先と下あごを人差し指で結んだときに、唇が指につかない状態」
Eラインに対し、下顎や下唇が前に出て、鼻の高さと同じ位置にあるような場合、「横顔が平ら」という印象を持つ方が多いようです。
他にもお子様の横顔が平らに見える理由は、さまざま。ここでは原因について、詳しく説明します。
鼻が低い
お子様の鼻が低く、おでこや下あごとあまり高さが変わらないと、凹凸が少なく立体感が出ません。そのため横顔が平たく見えることもあります。
しかしお子様の鼻は、現在の高さのまま成長するわけではありません。年齢を重ねるとともに上あご→鼻→下あごの順に成長していきます。
鼻の高さが確立するのは、女の子で13歳ごろ、男の子で15歳ごろといわれています。お子様の鼻が低い場合は、成長するのを待ってみてもいいでしょう。
前歯が出ている
「出っ歯」が原因になる場合もあります。上の前歯が前に突出していると、鼻と上くちびるの高さが同じくらいになるためです。口元がEラインよりも前に突き出しているので、横顔が平たく見えます。
受け口で下あごが出ている
受け口は、Eラインよりも下あごが前に突出している状態です。鼻と下あごの高さが変わらないので、凹凸がなく見えます。歯並びが原因の場合、受け口の横顔がいちばん「平ら」という印象に近いかもしれませんね。
子どもが受け口になる原因とは?
受け口になる原因は、骨格と歯並びの2つに分類されます。骨格、歯並び、それぞれの観点から詳しく説明します。
原因1.両親の受け口が遺伝している
受け口が起こる原因のうち、骨格によるものは遺伝の要素が大きいといわれています。親御様が受け口の場合、お子様が親御様の骨格を受け継いで受け口になっている可能性もあります。
しかし、お子様が受け継ぐのは、親御様の遺伝要素だけではありません。両親が受け口でなくても、祖父母様やご親族に受け口の方がいらっしゃれば、お子様に受け口が引き継がれる可能性もあります。
骨格が原因で受け口になっている場合は、外科手術が必要になることも。お子様の受け口の原因が骨格にあるかどうかをきちんと知りたいなら、専門医の診療をおすすめします。
※子どもの受け口と遺伝の関係について詳しくは以下の記事をご覧ください
顎の形・受け口(しゃくれ)は子供にも遺伝する?
原因2.鼻づまりで口呼吸の癖がついている
骨格がまだ成長途中にあるお子様は、口呼吸をしていると受け口になりやすい傾向があります。
風邪や鼻炎、花粉症などで鼻づまりが起こると、鼻呼吸ができずに口呼吸になってしまいます。お子様が受け口になっているのは、鼻づまりが原因で口呼吸の癖がついているからかもしれません。
口呼吸の癖がある場合で受け口の元凶となるのは、舌の位置の悪さです。通常、鼻呼吸をしているときは、舌は上あごの裏にくっついています。しかし、口呼吸になると舌の位置が徐々に下がってしまうのです。すると舌が下の歯やアゴを押し出してしまうので、結果として受け口になる場合があります。
原因3.上あごが小さい
上あごが小さく、下あごが大きい場合、成長する過程で下の歯が前に出てしまうことがあります。下あごに比べて上あごが小さいので、成長スピードにも差が出て、成長とともに下あごの方が先に大きくなってしまうのです。
あごの大きさは骨格によるものが大きいため、上あごが小さくて受け口になっている場合は、遺伝的な原因である可能性も高いといえるでしょう。
原因4.下あごが大きい
骨格は歯並びだけでなく、成長スピードも遺伝が影響しています。遺伝により、下あごの成長が早いと、下あごだけが大きくなり受け口を引き起こしている場合もあります。
原因5.前歯の生えている角度や方向
お子様の受け口の原因として、歯が生えている角度や向きが影響している場合もあります。お子様の乳歯が斜めに生えることは、決して珍しいことではありません。斜めに生えてきた乳歯の多くは、あごの成長とともに改善されていきます。
しかし、上の前歯が奥に引っ込んでいる、下の前歯が前にせりだしているなどの症状が気になるなら、矯正専門医に相談しましょう。
原因6.指しゃぶりの癖がついている
お子様に指しゃぶりやおしゃぶりの癖がついていると、受け口になることも。口に入れた指を前歯で噛んでいるので、指しゃぶりをしているあいだは歯を指で押し続けていることになります。
指しゃぶりで長い期間、前歯に力を加えていると、次第に下の歯が前に出てきてしまいかねません。
指しゃぶり以外にも頬杖や爪噛みなど、歯に力がかかる癖も、受け口の原因です。親御様が努力してもすぐにお子様が指しゃぶりを止められるとは限りません。気になるなら、矯正専門医にご相談ください。
受け口の矯正は早めの対応が大切
お子様の受け口の矯正は、早めの対応が大切です。お子様の上あごは、10歳~12歳ごろまでに成長が止まるといわれています。
早いうちに矯正治療をおこなうと、あごの成長にあわせた矯正が可能です。しかし、あごの成長が止まったあとでは、できる治療が限られてしまいます。
※お子様の受け口の矯正について、詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
受け口矯正することのメリットとは?
受け口矯正の費用や治療方法の目安は?
受け口を矯正することでお子様の横顔が平たく見える状態を改善できる可能性もあります。
ここでは受け口を矯正する費用や治療方法についてまとめました。
受け口矯正の費用
受け口矯正の費用は年齢や受け口の状態によって異なります。受け口の矯正期間は、年齢によって前期と後期に分かれます。
乳歯が生える3歳ごろから永久歯に生え変わる前の、前期治療の費用は、30~40万円ほどです。永久歯が生えそろう12歳から14歳ごろからはじめる後期治療の費用は35~45万円ほどです。
受け口の矯正は自由診療のため、各歯科医院によって治療費用が異なります。検査料や診断料も別途必要になるため、詳しい治療費用については、各歯科医院でご確認ください。
子どもの受け口矯正の治療方法
子どもの受け口の治療方法には、以下のものがあります。
- ムーシールド=夜間装着するマウスピースの一種。舌の位置を上げ、上顎の成長を促進する
- 「FKO(エフカ―オー)」=夜間装着するマウスピース
※それぞれの詳しい治療方法については、以下のリンク先をご覧ください。
「受け口矯正」大人の場合と子供の場合
子どもの平らな横顔が気になるなら矯正歯科にご相談を
受け口でお子様の横顔が平らに見えると悩んでいらっしゃるなら、一度当医院にご相談ください。お子様の受け口の原因や、歯並びの状態を確認したうえで、一人ひとりにあった治療方法を提案いたします。