乳歯は、歯を保護する「エナメル質」や、歯の主体をなす「象牙質」が永久歯よりも薄く、とてもデリケート。それゆえ、虫歯になりやすいのです。乳歯の虫歯は歯並びを悪くする原因になるので、整った歯並びを育てるためには虫歯予防が大切です。
そこで今回は、乳歯の虫歯予防に効果的な「仕上げ磨き」のコツをご紹介します。

効果的な仕上げ磨きの方法5ヶ条

1.おすすめの姿勢は「仰向け」

子どもの仕上げ磨きは、保護者のひざの上に仰向けに寝かせて行うのがおすすめです。口の中をすみずみまでチェックしやすいので、磨き残しを防げます。

また、低年齢のお子さんの場合、仕上げ磨きをしている最中に突然動いたり暴れたりして、危険を感じることもあるでしょう。寝かせて磨くとお子さんの体を固定しやすいので、より安全に仕上げ磨きができます。

2. 磨く順番を決めておく

常に同じ順番で磨くようにすれば「磨き忘れ」を防げます。また、子どもは飽きっぽいので、仕上げ磨きを嫌がられないためには短時間で終わらせることも大切です。磨く順番を決めておくことで無駄な動きがカットでき、スピーディーに仕上げ磨きができるのです。

3.前歯磨きは「上唇小帯」をガードして痛み防止

上唇小帯

上唇小帯(じょうしんしょうたい)は、上唇の裏側の中央から歯ぐきに伸びるスジのこと。上唇小帯は前歯を磨く時に歯ブラシが当たりやすいポイントですが、子どもはこの部分が太いことが多く、強い痛みを感じてしまいます。

前歯を磨くときは歯ブラシを持つ手と反対の手の指で上唇小帯を優しくおさえ、歯ブラシが触れないようにガードしましょう。

4.年齢によって異なる「虫歯になりやすいポイント」を重点的に磨く

お子さんの年齢によって「虫歯になりやすい歯」はある程度決まっているので、その部分を意識して重点的に磨くと効果的です。

目安として、奥歯が生えるまでの2歳頃までは「前歯」が、それ以降は「奥歯」が虫歯の発生しやすい場所です。子どもが嫌がって十分に仕上げ磨きができないときは、この部分だけでも磨くようにしましょう。

5.歯ブラシ選びと持ち方の一工夫で「痛くない仕上げ磨き」を

痛みを感じると「歯磨きイヤ!」となってしまう子どもは多いものです。毛先が柔らかくヘッドの小さい歯ブラシを選べば、口の中で小回りがきき、歯ブラシが歯以外の所に当たっても痛くありません。

また、強い力で磨くと子どもは痛みを感じてしまいます。余分な力がかからないよう、歯ブラシは鉛筆を持つときのように親指・人差し指・中指の3本で支えて持ちましょう

歯並びが悪いと虫歯のリスクがアップする

歯が重なって生えているなどの理由で歯ブラシが届きにくいところがあると、仕上げ磨きで歯垢を落としきるのが難しい場合があります。虫歯を効果的に予防するためにも、歯科矯正を検討することをおすすめします。