歯並びを悪くしてしまう原因として日常生活の「クセ」があげられますが、寝相もその1つです。そこで今回は、寝相が歯並びに与える影響と、歯並びを悪化させないためにできる、就寝時の工夫についてご紹介します。

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なぜ寝相で歯並びが悪くなるの?

就寝中は、長時間同じ態勢でいることも珍しくないため、一方向に力がかかり続けます。その結果、寝相によっては顔にゆがみが生じ、歯列のバランスも崩れてしまうことがあるのです。

顔のゆがみは、思春期になると急激に悪化するケースがあるので、幼い頃から気をつけていたいものです。では、どんな寝相が問題となるのでしょうか。

歯並びを悪化させてしまうかもしれない寝相その1「横向き寝」

「横向き寝」では、頭の重みが下側になっている方の顔にかかり続けます。その結果、下側になる顔やあごの成長が妨げられて、ゆがみにつながります。

歯並びを悪化させてしまうかもしれない寝相その2「うつぶせ寝」

「うつぶせ寝」では常に顔の左右どちらかが圧迫されている状態となるので、「横向き寝」と同じく、顔や歯列のゆがみを引き起こすことがあります。また、うつぶせ寝は鼻で呼吸しづらいため口呼吸になりやすく、それが原因で出っ歯になる可能性もあるのです。

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「出っ歯」の原因は?

「横向け」や「うつぶせ」で時々寝るからといって、すぐに歯並びに影響が出るわけではないので、神経質になりすぎる必要はありません。問題になるのは、常にそのような寝相で寝ている場合です。

歯並びを悪くさせない寝相!「仰向け寝」をサポートするためのコツ

歯並びを悪くしないためには、基本的に「仰向け」の姿勢を意識して寝かせると良いでしょう。とはいえ、横向きやうつぶせで寝るクセがついてしまっているお子さんの場合、なかなか仰向けでは寝られないことも。そんな時に試してみたい工夫をご紹介します。

「仰向け寝」をサポート

子どもの成長に応じて枕を使用する

ある程度の年齢になれば、枕を使用した方が、楽に仰向け寝ができます。身体を横から見たとき「首よりも頭が後ろに出ている」ようになったら、枕を使い始めるサイン。個人差はありますが、8~9歳もしくは身長130cmぐらいが目安です。お子さんの成長にあわせて高さを調節できる枕を選べば、長い間使えて重宝します。

仰向けのまま眠りにつける入眠儀式を用意する

入眠儀式とは、スムーズに眠りにつくために行う就寝前の習慣のこと。仰向けが楽しくなる入眠儀式でおすすめのものは、「家庭用プラネタリウム」「読み聞かせ」です。

家庭用プラネタリウムは、お部屋の壁や天井に星空を映し出せます。映像と一緒に音楽が流せるものもあり、寝る前のリラックスタイムにぴったりです。お部屋を真っ暗にしてお布団に仰向けになり、一面の星空を見ていると、自然と仰向けのままで眠りにつきやすくなります。

読み聞かせは入眠儀式の定番ですが、無理なく仰向け寝に導くためにも効果的です。仰向けで絵本を眺めているうちに、いつのまにかそのままの姿勢で眠ってしまった、という経験のある方もいるでしょう。落ち着いた声でゆっくりと読み聞かせをしてあげると、お子さんの眠気を誘うのに効果的です。

寝相にも気をつけて、きれいな歯並びを育てよう

いつも「うつぶせ」や「横向き」で寝ているお子さんは、定期的に、顔貌や歯並びをチェックしてあげると良いでしょう。すでに歯並びが悪い場合は、早い段階で矯正歯科に相談されることをおすすめします。

子どもの歯列矯正は、適切なタイミングでスタートすれば、歯だけでなく「あご」の成長にもアプローチできます。健康できれいな歯並びを育てていきましょう。